今月の特集

船で見る境港の漁業 その5

”刺網漁業(さしあみ)” 

 

刺 網 漁 業

 (刺網の概要)

 刺網漁業は、目に見えないような細い糸で編まれた網をもちいます。

 「あば」と呼ばれるうきと、「いわ」といわれるおもりで網の沈み具合を調整し、魚の泳ぎを遮るように網を投入し、魚が網に刺さることから刺網といいます。

 写真を撮影した美保関神社で有名な美保関周辺では、ブリなどを獲ることが多いようです。


(揚網設備)

 刺し網船には、船体前部に網を揚げるために「かぐらさん」(写真右前方)とよばれる大きな揚網用のローラがあります。

 これは、油圧を用いて網を揚げます。その後方にあるやや小さめなローラは、電動式ローラ(バッテリー駆動がほとんど)で網捌き用で「かぐらさん」上がってきた網をサポートするのが、仕事です。

 この2台のローラの連携作業で揚網作業は網を軽くさばく程度の力でよく、省力化がなされています。

 


(船体後部)

 刺し網船の後部スペースは網を置くスペースとなります。船体後部から投入された網は、船体前部の「かぐらさん」など揚網用ローラで揚網されます。

 魚の刺さった網は、船体前部につまれ、帰港後船を横付けし、網を陸揚げしながら、魚を取り外していきます。

 魚をはずされ陸にある網は、船体後部にあるローラ(本船では吊り下げローラ)で網座にきれいに積み直して、次回の投網に備えます。

 この作業も軽く引く程度で、さほど力を必要としないほど省力化が進んでいます。

 

 


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